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合同会社設立の検討事項

(1) 商号を決める

同一商号を調査する前に、まず商号を決めなければなりません。
商号で用いる文字には登記上決まりがありますので、注意しなくてはなりません。
漢字・ひらがな・カタカナのほか、以下のローマ字や記号が認めれています。
ローマ字(大文字及び小文字)アラビア数字・「&」(アンパサンド)「'」(アポストロフィー)
「,」(コンマ)「-」(ハイフン)「.」(ピリオド)「・」(中点)
です。
これらの文字を使用し商号を決定します。

しかし、有名な会社や有名ブランドの商標などと同じであったり、似ていたりする商号を使用することは、不正競争防止法により禁止されております。
その会社が商号や所有するブランド名やロゴデザインなどにおいて商標権を持っていると、その企業から「差し止め請求」や「損害賠償」を求められることがあります。

(2) 同一商号の調査

現行商法では、登記した商号については、同一の営業のために、他の者が同一の商号を登記することはできない、とされています(商19)(同条は、会社のみならず商人一般に適用される規定)。

従って、まず、同一商号の調査をしなくてはなりません。

同一の住所に同じ商号があるかどうか?を調べます。既に解散して清算中の会社も含まれます。
厳密な調査方法としては、管轄の法務局で商号を閲覧して調べるという方法がありますが、よほどのことがない限り同じ住所に同じ商号は存在しないと思いますので
設立する方の良識で判断してください。
また、インターネットや電話帳などで、調べてみるのも良いかも知れません。

ただし、バーチャルオフィスや大きな商業ビルやマンション等に本店所在地にする方は、同一商号があるかも知れませんので、ご注意が必要です。

(3) 事業の目的の決め方

事業の目的とは、会社が営もうとする事業のことです。
会社の目的は定款において絶対的記載事項でありますし、登記事項でありますから
大変重要な部分であることを理解する必要があります。

設立する会社は現実に営む事業を記載することはもちろんのこと、今後行うであろう事業も記載することができます。
合同会社も法人であり、定款で定めた目的の範囲内でのみ権利・義務の効力が発生するのが原則であります。しかしながら、この原則については比較的緩やかな原則となっているのが現状ではあります。
とはいっても、税務上・会社の信用上・許認可の必要な場合など、事業の目的に関しては現実的には厳しい一面もありますので、慎重に決めることが大切です。

これから述べるかつての判定基準は現在は一部廃止されている部分がありますが、基本的には法務局の合否の判断も、かつての基準によるところが大きいようですので、参考にしてみてはいかがでしょうか?

□かつての判定基準のうち現在も適用されている事項
①適法性
  公序良俗に反することは事業の目的とすることはできません。
  では公序良俗に反する事はどんなことでしょうか?
  ●人の倫理や正義の観念に反すること
  ●他人の弱みに付け込み不当な利益を得るような行為
  ●個人の自由や生存に係る財産を処分すること
  ●極めて射倖的なもの(人の欲求に対し判断力を失わせるほどの事業)
 
また、様々な法律に対して違法性のあることは、事業の目的とすることはできません。

②営利性
  会社の目的はその事業をもって、利益を得るものでなくてはいけません。
  法人とはいっても、宗教法人や財団法人など営利を目的ではない法人もありますが合同会社は、営利を目的とする法人ですから当然のことです。

□かつての判定基準のうち現在は適用されていない事項
適用されていないとはいえ、参考にした方が良いでしょう。
合同会社の場合は公証人の認証が不要なので、直接法務局の登記官の合否判断によりますが、合否の基準を満たしているからといって必ずしも適格するとは限りません。また、第三者にも説明できるような内容でないと、定款に記載する意味がありません。

① 明確性
事業の目的の明確性は、「どんな事業をするのか?」が明確か?ということです。
この基準は廃止されたとはいえ、やはり重要な部分です。

また、最近では最新の技術や業界用語などを英語やカタカナ、略字で表記したりするといった記載方法が目立ちますが、世間一般的に認知度の薄い文言や英語表記は、却下の事由となりえますので、誰にもわかるような補助的な文言を添えたり、日本語で読み下すなどの工夫が必要となります。

② 具体性
会社の目的はその会社がどのような事業を営むのか?を第三者に判断してもらえる程度に具体性がないといけないとされていましたが、現在ではこの判断基準はなくなっています。
ですから、極めて事業の範囲は広く、解釈も自由となりますが、かといってやみくもに
1. 商業
2. 建築業
3. 販売業
などと、あまりにも漠然とした記載方法ですと、第三者にむけての信用などに若干欠ける恐れもあります。ある程度、事業自体の的を絞ることも大切であります。

また、補足ではありますが、あまりに具体的な目的も問題であるということを述べます。
例えば、「美と健康のインド医学法にもとずく癒しのサロンの経営」これは一例にすぎませんが、これですと事業の目的というより、事業内容や会社の宣伝文句となっています。
これでは、問題がありますので、直接的にどんな事業をして利益を得るのか?ということのみに重点を置いた目的の記載を念頭におくべきでしょう。

(4) 本店所在地を決定する

本店所在地とは、登記する会社の本店の住所のことです。
定款で規定するには、二通りの方法があります。
① 最小行政区画である市町村まで記載し、町名と番地は記載しない方法
例)当会社は、本店を東京都と千代田区に置く
② 具体的な本店の所在場所まで記載する方法
  例)当会社は、本店を東京都と千代田区千代田一丁目二番三号に置く

上記の①のように最小行政区画までの記載の場合は合同会社の設立申請の際に「業務施行社員の決定書」が必要となり、町名番地まで記載しなければなりません。

原則的には、業務施行社員の過半数の一致が必要ですが、定款に定めた方法で決定したという書面を作成します。
一方、②であれば「決定書」は不要です。

定款において最小行政区画までに記載をとどめた本場合は、その区画内の移動の際に定款の変更は不要となります。しかし、登記の変更は必要です。